大震災の影響 ホテルアトラス
ホテルアトラス 大野木です。
3月11日の東日本大震災について、
フロントを担当している北井さんにお聞きしました。
北井さんは当日フロントナイトの日でした。
【3月11日地震当日】
通勤時刻でしたが、電車の運行の目処が立たなくなりました。
一度自宅へ戻り車で出勤しました。
ホテルに到着したのが20:30過ぎでした。
ホテルに到着すると、フロントには大勢のお客様がいらっしゃいました。
ロビーには20名前後の方々がキャンセル待ちのため待機されている状態で、
電話は常に途切れる事なく鳴り続けていました。
通常この時間帯は、フロントナイト2名体制となっていますが、
支配人、副支配人も残り総勢6名で対応しました。
この段階でキャンセル待ちをされている方は50名を超え、
100件近く予約のお問い合わせをお断りしていました。
中には宿泊中のお客様で、ご自身の部屋に一緒に知人を泊めたいと
希望され枕と布団を貸出したり、
また 近くの法人契約企業からは、社内で泊まりたいということで
布団の貸出しを希望され、布団2枚と毛布3枚を貸出しました。
その後も電話は鳴り続け、さらにフロントに直接来られる
お客様は後を絶たず、スタッフ総出で対応を続けました。
23:00頃、区役所より、公会堂が開放された事の連絡を受け、
ロビーでキャンセル待ちをしているお客様にその旨を伝え
希望者を区役所へご案内し、
残られたお客様にはキャンセルが出たお部屋をご案内しました。
24:00前には、ロビーでお待ちしているお客様全て
お部屋へご案内することができ、電話も徐々に落ち着き始めました。
00:30頃、日本海庄やのお客様が宿泊を希望したいとの事で、
4名様が再びロビーでキャンセル待ちをする事になりました。
その後2:00頃に、シングル3部屋、ダブル1部屋キャンセルが出たため、
4名様を全員お部屋にご案内する事が出来ました。
翌朝のチェックアウト時は、電車も復旧していた事もあり、
大きなトラブルもなく、スムーズにチェックアウトを完了する事ができました。
<設備面でのトラブル>
・エレベーター
地震後ホテル内のエレベーターが一時止まり、
メンテナンス業者に依頼して3時間程で復旧。
・客室内トイレ
…地震の揺れでトイレタンクから水がこぼれましたが、
全部屋チェックして異常なし。
・ガスの安全装置
…地震でガスの安全装置が作動し元栓が一時閉まり、
ガスが使えない状態となった。
ガス管に異常なないことを確認し支配人が元栓を開け復旧。
地震によって物が壊れた、破損した等はほとんどありませんでした。
【計画停電】
その後の『計画停電』もホテルの地域は結局対象外となり、
停電は実施されませんでした。
しかし『計画停電』初日は、一応準備のため
ホテルシステム及び、電話線の電源をOFFにしました。
そして問題が発生しました。
ホテルシステムのサーバーが再起動せず、
ホテルシステムが作動しなくなりました。
ホテルの予約は、ホテルシステムでほとんど管理しており、
この先の予約状況が分からなくなる緊急事態に陥りました。
しかしホテルシステムで予約管理している他に、
バクアップとして手書きの予約カードでも管理しているため、
サーバーが直るまで、予約台帳を作成し予約を管理していました。
予約台帳とは、パソコンが普及していない時代、
ホテル・旅館は予約台帳を使って予約を管理をしていたものです。
普段とは違う予約の管理方法だったので、
みんな慣れないようでしたが、サーバーが復旧する数日間、
トラブルがなく乗り越える事が出来ました。
【今後について】
今回の地震に関して、誰もがそうでしょうがかつてない経験をしました。
しかしスタッフ一丸となって対応を行いました。
地震発生後、1か月経ち、余震もまだまだ多いですが、
これから先の問題も、従業員がまとまって対応をしていきたく思います。